ピーリングジェルを使うと、ポロポロと古い角質が取れます。これが快感で、毎日でもピーリングジェルを使いたいと思う人もいるかと思います。

ちなみに、自宅で行うセルフピーリングに使われるピーリングジェルは、週に1回から2回、または多くても3回程度までを指定しているメーカーが多いと思います。
 
しかし、昨日、ピーリングジェルを使って、古い角質をボロボロと取ったのに、今日、試すと、また、ポロポロと出てくるので、毎日でもピーリングはやった方がいいのかな?と純粋に思われる人もいると思います。

そこで、ここでは、毎日、ピーリングを行うとどうなるのか?について紹介したいと思います。
目次を紹介する女性と↓のイラスト

まずはじめに、結論から!?

ピーリングは、毎日、やってはいけません。

 

なぜ、毎日、ピーリングを行ってはいけないのか?

ピーリングを毎日やってはいけない理由を理解する為には、「皮膚の構造」と「ピーリングで何をしているのか?」の2点を理解すると分かりやすいと思います。

皮膚の構造とは?

肌の断面のイラスト

皮膚というのは、上記の図のように皮膚の表面から

  • 表皮(ひょうひ)
  • 真皮(しんぴ)
  • 皮下組織(ひかそしき)

と大きく3階層になっています。

 

さらに、「表皮」の部分は、

  • 角質層(かくしつそう)
  • 顆粒層(かりゅうそう)
  • 有棘層(ゆうきょくそう)
  • 基底層(きていそう)

 
の4つの階層に分かれています。
 
※補足
角質層と顆粒層の間に透明層があると言う人もいます。

 

表皮の一番下の基底層では、新しい細胞が作られています。新しくできた細胞は、基底層から有棘層、顆粒層、角質層と上がっていき、最後は垢として体外に排出されます。

この細胞が生まれてから垢として排出されるサイクルを肌のターンオーバーと言っています。お肌のターンオーバーは大事なので覚えておいてくださいね。
 
ピーリングで削っているのは、皮膚の一番表面の「表皮」の部分です。この「表皮」の部分の理解が重要になります。

表皮の構造とは?

表皮の角質細胞と細胞間脂質の構成図
表皮の構造は、「角質細胞」と「細胞間脂質」で構成されています。

表皮の一番上の「角質層」は、厚さが0.02mmとサランラップ程度の薄さしかありませんが、「角質細胞」と言った活動を停止した細胞が20層ほど積み重なっています。

さらに、角質細胞と角質細胞の間には、細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)があります。細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)は、角質細胞同士を引っ付けている役割をしています。さらに、細胞間脂質は、保湿効果もあり、水分の保持も行っています。

化粧品に使われている「セラミド」という成分はご存知でしょうか?水分を包み込んで、お肌の保水力をアップする成分です。このセラミドは、表皮で作られており、細胞間脂質の代表的な成分です。

角質細胞は垢として剥がれる

お肌のターンオーバーが進むと、表皮にある「角質細胞」は、垢として剥がれ落ちます。普通に垢として角質細胞が剥がれおちる時は、その下の角質細胞が、シッカリと作られているので何も問題はありません。

しかし、怪我をしたり、強くこすったりして、無理に角質細胞が剥がされると細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)が隙間から漏れ出します。また、お風呂に長く入って、皮膚がふやけている場合も漏れ出します。

もちろん、怪我をしても時間の経過とともに肌は元に戻ります。しかし、肌が元に戻るまでは乾燥しやすく、雑菌や刺激から弱い状態になっています。

理解を深める為に知っておくこと

人間の皮膚の表面には、皮脂腺と汗腺があります。皮脂腺からは油分、汗腺からは水分が出てきます。

この油分と水分が混ざることによって、天然のクリームが作られます。この天然のクリームで皮膚の表面を覆っている事で、乾燥を防いでいます。

もちろん、乾燥だけではなく、チリやホコリ、細菌、ウイルス、雑菌など外からの刺激や攻撃からも体を守っています。さらに、表皮や真皮、皮下組織などが、何重にもなってバリア機能を発揮して、身体を守っています。

ピーリングで何をしているのか?

ピーリングと表皮の関係図
さて、ピーリングに話しを戻します。ピーリングを行うと、皮膚の表面を削っています。

お肌のターンオーバーが遅れている場合には、多少、表皮の角質層を削っても、角質層が分厚くなっているので大丈夫です。

特に、本来、既に剥がれているべき皮膚を落としているので、さほど問題にはなりません。1日、2日で肌が元に戻ります。

とは言っても不自然に、古い角質を取り除いているので、皮膚のバリア機能は低下します。その為、乾燥しやすくなったりはするので、保湿は必要です。

毎日、ピーリングを行った場合はどうなるか?

自宅で利用するピーリングジェルは、多くの場合、週に1度から3度程度が適正回数とされています。これを毎日、ピーリングを行うと、今までに紹介した通り、皮膚の表面の角質層が必要以上に削られる事になります。

その為、皮膚が異常に薄くなります。皮膚の表面の角質層は0.02ミリです。それが薄くなるのですから、その影響は小さくないという事は理解できると思います。

必要以上に削られた場合は、極端な言い方をすればケガをしている状態に似ているとも言えます。その為、ピーリングを行い過ぎると、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。

ピーリングを毎日やると、どんな症状が起こるのか?

毎日、ピーリングを行うと、どのような症状が現れるのでしょうか?具体的に考えてみました。

基本的には

  • 乾燥肌になる
  • 赤くなる
  • 痛みがでる
  • かゆみがでる

 
といったような症状が出る可能性があります。
 
これらの症状が出ることによって、引き起こされるのが

  • 乾燥からの過剰な皮脂の分泌
  • 肌のバリア機能の低下
  • シミやシワ等肌老化の増加

 
などが考えられます。

乾燥からの過剰な皮脂の分泌

肌が乾燥することによって、乾燥から肌を守るために、皮脂が多く分泌される事があります。このような状態になると、分泌された皮脂が毛穴に詰まり、ニキビや毛穴の開き、毛穴の黒ずみの原因になる事があります。

皮脂が分泌され過ぎたると、テカテカの脂性になります。その為、洗顔で綺麗に落としたくなりますが、肌が薄く敏感になっているので、ここは我慢が必要です。

洗顔は、朝はぬるま湯だけにします。そして、夜に1日分のメイクやチリやホコリなどの汚れを落とすだけに洗顔料を使います。

ひどい場合は、洗顔料を使うのは2日や3日に1回など、出来るだけ刺激を与えずに、保湿に集中する必要があります。

肌のバリア機能の低下

肌のバリア機能が低下すると雑菌などの外からの刺激に負けてしまう可能性があります。この場合は、肌が荒れたり、かぶれたりしやすくなります。

シミやシワ等肌老化の増加

肌が乾燥すると、潤いが奪われるので、シミやシワが出来やすくなります。その結果、肌の老化も進みやすくなります。

ピーリングは使用頻度・使用回数は守りましょう

ピーリングジェルを使い過ぎた場合には、今までに説明してきたような事が起こる可能性があります。

これは、ピーリングジェルに限った事ではなく、ピーリング石鹸、スクラブ、ゴマージュなど、皮膚の表面を溶かしたり、削ったりしていればすべて同じです。
 
ピーリング商品は、実際にメーカーが発売する前には、商品の有効性や使用頻度など、何度も厳しいテストを行ってから販売されています。これに基づいて、使用頻度は決められています。

その為、早くキレイな肌になりたいと焦って、毎日つかうと、逆に肌荒れや乾燥を起こして、シミやシワが出来てしまいます。

使用頻度は決められた範囲内で利用するようにしましょう。もちろん、使用頻度だけではなく分量や使用方法など、すべて守るのが重要です。

洗顔だけでもピーリングされている

余談になりますが、ほとんどの人が毎日、洗顔料を使って顔を洗っていると思います。この洗顔をしているだけでも、自然と、古い角質は、少しは剥がれています。

ピーリングは、さらに、皮膚表面の古い角質を集中的に取り除く方法です。

この為、毎日、洗浄力の強い洗顔料を使って、朝晩、シッカリと洗っている人は、さらに、ピーリングを行う場合も、通常の使用頻度よりも少なくすると安心です。

肌荒れや乾燥肌になると大変なので、使用頻度は出来るだけ少ないところから試して、様子を見て、少しずつ使用頻度を上げていき、自分の肌のベストなタイミングを見つけましょう。無理はしないのが無難です。

まとめ

ピーリングというのは、肌の表面に古い角質がたまっている人が使うモノです。その為、肌のターンオーバーが遅れだしている、ある程度の年齢の人が使うものです。だから、毎日行うようなモノではありません。

肌の状態は、人によって様々ですが、早くても30代から使えば良いと思います。人によっては40代からでも良いと思います。

20代など若い肌を持っている人は、運動や睡眠など生活習慣を見直して、新陳代謝を良くすることを行うと良いと思います。

スキンケアで気を付けるのは、保湿をシッカリとする事を意識しておけば、それほどピーリングを使って角質ケアをする必要はないと思います。

ピーリングは無理に使うものではありません。利用する時は、注意して使いましょう。毎日、ピーリングを使うのはもってのほかです。