お肌のターンオーバーの周期が早いと、敏感肌、乾燥肌、肌荒れ、ニキビなどの肌トラブルの原因になる事があります。
お肌のターンオーバー(肌細胞の生まれ変わり)と言えば、年齢の経過とともに新陳代謝が遅くなると、お肌のターンオーバーも遅くなり、シミやくすみ、小じわなどの肌トラブルの原因になる事でも有名です。その為、お肌のターンオーバーの周期を促進して早くするためにピーリングを行う人もいます。
この為、お肌のターンオーバーは早いのが良い、と思われがちですが、早すぎるのにも問題があります。ここでは、お肌のターンオーバーの周期が早い人の問題点、原因、解決方法などを紹介します。
お肌のターンオーバーの周期が早い人に現れる症状とは?
お肌のターンオーバーの周期が早い人にあらわれる症状とは何でしょうか?具体的な例を挙げると
- 肌が乾燥する
- ヒリヒリしたり敏感肌になっている
- 肌に痒みを感じる
- 肌がザラザラしたり、ゴワゴワする
- 毛穴が開いて、毛穴の黒ずみや詰まりがある
- 肌にキメがない
- 肌がくすんでいる
- ニキビが出来やすくなった
と言ったような症状があらわれる可能性があります。
ただし、ここで紹介した症状は、お肌のターンオーバーの周期が早い人だけではなく、お肌のターンオーバーが遅い人にもあらわれる症状です。また、それ以外の肌トラブルが原因で、上記のような症状が出る場合もあります。この為、上記のような症状がでる人は、必ずしも「お肌のターンオーバーの周期が早い人」である訳ではありません。
自分はお肌のターンオーバーの周期が早い人なのか?を判断したい場合には、このページで紹介している内容を読んで参考にしてください。
お肌のターンオーバーの周期が早いのは何が悪いのか?
お肌のターンオーバーの周期が早いと、お肌の生まれ変わりが早くなるので、綺麗で健康な肌になるので美肌になれるイメージがあると思います。
しかし、お肌のターンオーバーの周期が早いと、新しく生まれてくる肌細胞が突貫工事で作られているので、十分に成長していない状態で肌の表面に現れてきます。その為、弱い肌になってしまい肌トラブルが起こりやすくなります。
理解しやすくする為に、下記で、お肌のターンオーバーや肌の構造などの基本的な事から図を交えて説明したいと思います。
お肌のターンオーバーの仕組みと周期が早い場合の問題点
まずは、肌の構造から紹介して、お肌のターンオーバーについて理解できるように説明したいと思います。
上記の図が肌の断面図です。大きく分類すると、肌の内側から、「皮下組織」、「真皮」、「表皮」の3階層で出来ています。お肌のターンオーバーに関連しているのは、一番上の「表皮」の分です。
上記の図は、「表皮」の部分を拡大した図です。表皮部分は、下から「基底層」、「有棘層」、「顆粒層」、「角質層」と言った4層構造になっています。
表皮の一番下の「基底層」で、肌細胞が作られます。そして「基底層 → 有棘層 → 顆粒層 → 角質層」と新しい肌細胞は成長しながら肌表面に上がっていきます。
上記の図は、肌の表面の「角質層」を大きくした図です。角質層には、「角質細胞」と「細胞間脂質」があります。角質細胞は、基底層で生まれた細胞ですが、肌の表面の角質層に出てくる段階では、死んだ細胞となり、外からの刺激の防御や肌の乾燥を防いだりしています。
そして、細胞間脂質は、角質細胞の間を埋めています。この細胞間脂質には、セラミドなどのNMF(天然保湿因子)が含まれており、角質細胞をシッカリと結びつけて、外からの刺激を防ぎつつ、肌内部の水分が蒸発しないように保湿の作用もして、肌の乾燥を防いでいます。
この為、「角質細胞」と「細胞間脂質」の関係は上記のレンガとコンクリートで例えられる事が多いです。角質細胞がレンガで、細胞間脂質がセメントです。このようにシッカリと「角質細胞」と「細胞間脂質」が組み合っている状態だと、肌は綺麗で健康な状態です。
お肌のターンオーバーの周期が早いとどうなるのか?
お肌のターンオーバーの周期が早いと、角質層にある角質細胞は不十分な成長をした状態で肌表面に出ている状態になります。具体的に言いますと、基底部で作成された肌細胞は、「基底層 → 有棘層 → 顆粒層 → 角質層」と肌の表面に上がっていくときに細胞が変化して、最後の角質層に来たときには「死んだ細胞」になっています。
死んだ細胞なので、外からの刺激に耐えることが出来るのだと思います。この死んだ細胞をセラミドなどの角質間脂質やNMF(天然保湿因子)が取り囲んで固めることによって、外からの刺激や肌内部の水分の蒸発を防いでいます。
しかし、お肌のターンオーバーの周期が早いと、角質細胞が生きた状態で肌表面に出てくるので、外からの刺激に弱くなります。さらに、角質細胞を取り囲んで固定していたセラミドなどの角質間脂質やNMF(天然保湿因子)が、いちじるしく不足するので、角質細胞の固定が不十分になり剥がれ落ちやすくなります。
外部からの刺激によって角質細胞が剥がれ落ちると、肌の表面はデコボコになり、部分的に肌が薄くなります。その結果、お肌のバリア機能が低下して、乾燥肌や敏感肌、ニキビ、肌荒れなどの肌トラブルを起こりやすくなります。
お肌のターンオーバーの周期が早くなる原因とは?
お肌のターンオーバーの周期が早い人は、お肌のバリア機能が低下するので、敏感肌、乾燥肌、ニキビ、肌荒れなどお肌のトラブルが激しくなります。
では、なぜ、お肌のターンオーバーの周期が早くなるのでしょうか?
お肌のターンオーバーの周期が早い原因とは?
お肌のターンオーバーの周期が早い原因としては、
- 洗顔などのスキンケアのし過ぎ
- 熱いお湯で顔を洗う
- スキンケアなどの時に顔を擦りすぎ
- 化粧品の使い過ぎ・肌に化粧品があっていない
- ピーリングなどの角質ケアの行い過ぎ
- 紫外線の影響
- ストレスや生活習慣の影響
と言ったような事が、お肌のターンオーバーの周期が早い人が行っている原因の例です。
洗顔などのスキンケアのし過ぎ
洗顔やクレンジングなどの場合に多いですが、顔を洗うときに、ゴシゴシと力をいれて洗っている人、または、朝晩、1日に何度も洗顔料をつけて洗っている人は、顔を洗うことで、皮膚の表面の古い角質を取り除いている事になります。また、顔に直接シャワーを当てている人も古い角質が取れています。
このように洗顔やクレンジング、シャワーを行うことで、古い角質を取りすぎると皮膚が薄くなります。皮膚が薄くなりすぎると、肌のバリア機能が低下するので、皮膚が何とかしようとしてお肌のターンオーバーが早くなる原因になります。
この為、まずは、ゴシゴシと洗うのをやめます。そのうえで、洗顔料やクレンジングは、夜だけ使い、朝は、ぬるま湯だけの洗顔にします。状態がひどい人は、洗顔料を使うのを2日に1回など少なくする必要があります。
また、洗顔料を使う場合も十分に泡立てた洗顔料で、泡で毛穴の汚れを吸い取る形式の洗顔方法が、肌への刺激を抑えることが出来てオススメです。このように肌への刺激を出来るだけ減らすことで肌が自然に回復するのを待ちます。
熱いお湯で顔を洗う
熱いお湯で顔を洗っていませんか?熱めのお湯で顔を洗うと、皮膚の表面の皮脂が溶け出します。本来、肌の保湿のために必要であった皮脂が溶け出すことで一気に乾燥肌になります。必要な皮脂が溶け出して肌が乾燥すると、乾燥肌を改善する為にお肌のターンオーバーの周期が早くなっている可能性があります。
顔を洗うときはもちろんですが、お風呂に入る時も、肌の保湿を考えると、ぬるめのお湯がオススメです。特に冬場など乾燥しやすい季節に、暑いお湯につかると、皮膚もあたたかくなります。その状態でお風呂から上がると、外気との温度差によって、いつも以上に肌が乾燥しやすくなるので注意です。
スキンケアなどの時に顔を擦りすぎ
スキンケアや肌のお手入れなどをする時に、洗顔やクレンジングはもちろんですが、化粧水をコットンで顔につけるとき、または、顔のマッサージ、洗顔後のタオルでの顔を拭く時など、意識せずに顔を擦っていませんか?顔を擦ることで、顔を傷つけている場合があります。
顔を擦ることで、顔の古い角質が剥がれ落ち皮膚が薄くなります。お肌が健康な状態だと特に問題はないと思いますが、お肌が弱っている時など、傷ついた顔の肌を修復する為にお肌のターンオーバーの周期を乱す原因になる場合もあるようです。また、顔を擦ると、シミ、シワ、色素沈着などが出来る原因にもなるので擦るのはやめた方が良いです。
化粧品の使い過ぎ・肌に化粧品があっていない
必要以上に化粧品を使い過ぎると、お肌に負担をかけてしまっている場合があります。また、お肌に化粧品があっていない場合なども同様です。
このような場合には、肌荒れなどの肌トラブルの原因になり、その肌荒れをなんとかしようと、お肌のターンオーバーが狂う可能性があります。
ピーリングなどの角質ケアの行い過ぎ
ピーリングという角質ケアの方法は、皮膚の表面を削ったり、溶かしたりするスキンケア方法です。この為、肌がツルツルになるからと言って、頻繁にピーリングを行っていると、皮膚の表面の角質層が薄くなります。
この為、お肌のターンオーバーの周期が早い人は、ピーリングの利用はやめましょう。
紫外線の影響
紫外線を浴びると、紫外線の刺激で肌細胞が傷つきます。この細胞が傷つかないように防衛反応として作られるのがメラニンであるシミです。このシミの原因ともなる紫外線ですが、お肌のターンオーバーを早める原因にもなっています。
お肌のターンオーバーとは、肌の生まれ変わり、入れ替わりなので、早い方が良いと思われるかもしれませんが、必要以上に早く作った細胞というのは、突貫工事で作られたような細胞です。
突貫工事で作った肌細胞は、正常な細胞が生まれないので、お肌のターンオーバーで、本来なら垢として剥がれ落ちていたはずの細胞が残ってしまうと言った事が起こります。この為、紫外線を浴びるとシワやソバカスなどが出来やすくなるわけです。
ストレスや生活習慣の影響
ストレスや不規則な生活習慣というのは、肌にも色々な影響がでます。ストレスを解消できる趣味を見つけるのが大切です。また、適度な運動や十分な睡眠、適切な栄養補給が美容を維持する為にお勧めです。
お肌のターンオーバーの周期が早い人のお手入れ・スキンケア・改善方法
お肌のターンオーバーの周期が早い人のお肌のお手入れ方法、スキンケアなどの改善方法を紹介します。お肌の状態が悪い場合には、まずは、特に美白化粧品やアンチエイジング化粧品のように、肌への刺激が強い化粧品の使用は中止します。
そのうで、基本は、肌の状態が安定するまでは、必要最低限のスキンケア化粧品を使うようにします。特に、お肌の状態が悪い場合には、天然植物性のノンオイル、界面活性剤不使用、ノンケミカルと言った敏感肌の人でも使えるような、お肌に刺激がなく優しい化粧品を選ぶと良いです。
肌のバリア機能アップのための保湿が重要
そもそもお肌のターンオーバーが早い人というのは、乾燥肌、敏感肌、肌荒れなど、何かしら、肌に問題があった人です。その問題のあった肌を改善しようと、皮膚が、頑張ってお肌のターンオーバーを早くしているのです。このようなケースが多いと思います。
その為、お肌のターンオーバーの周期が早い人のスキンケア方法や改善対策としては、特に『保湿』を丁寧に行う事が大切です。保湿をシッカリ行うことで、肌のバリア機能をあげることで、皮膚に、お肌のターンオーバーを早くしなくても大丈夫である状態を作ってあげます。
お肌の保湿をする場合には、化粧水で水分を与えて、乳液やクリームで蓋をすると言った方法もあります。しかし、それ以上に大切なのが、肌が水分を保持できる量を増やすことです。セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などの肌に潤いを保ち、保湿できる水分量を増やす成分の入った化粧品を使うのがオススメです。
紫外線対策の日焼け止めも大切
お肌のターンオーバーの周期が早い人の肌の状態は、紫外線からの影響を受けやすくなっています。その為、日焼け止めの利用が大切です。
しかし、紫外線吸収剤が入っている日焼け止めは、紫外線を吸収する時に熱を発して肌への負担になります。その為、紫外線吸収剤が入った日焼け止めの使用はやめて、紫外線散乱剤や紫外線反射剤と言った成分の日焼け止めの利用がオススメです。
また、メイクをする時のファンデーションをパウダータイプに変えるだけでも、紫外線を反射して、日焼けや紫外線のダメージを和らげてくれます。
まとめ
お肌のターンオーバーの周期が早い人は、まずは、肌への刺激をなくすことが前提です。具体的には、洗顔やクレンジングの見直し、その他にも刺激の強い化粧品やスキンケの方法をしていないのか?と言った点も見直す必要があります。
このような見直しを行いつつ、セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などの肌が水分保持量を多く出来る成分を含んだ化粧品を使い、肌のバリア機能をアップします。そして、肌に優しい日焼け止めで紫外線対策をするのがお肌のターンオーバーの周期が早い人が行うべき事です。