α-リポ酸(アルファ-リポ酸) は、どのような効果があるのか?
α-リポ酸を食品などの食べ物やサプリメントで摂取したいと思った場合に、
- どんな特徴があるのか?
- α-リポ酸の効果とは?
- どんな飲み方をするのが効果的なのか?
- 副作用や注意点はあるのか?
- 摂取量はどれくらいか?
といった様な気になる点についてまとめて紹介します。
α-リポ酸とは?【αリポ酸の基本】
α-リポ酸(アルファ-リポ酸) は、別名、「チオクト酸」と言います。
食品では、野菜や肉などに含まれている栄養成分ですが、体内でも作られる栄養成分です。
日本では、α-リポ酸は、医薬品成分として利用されていますが、2004年3月の法改正で食品として使用でき、2007年から化粧品への配合も許可されています。
どんな効果が期待できるのか?
α-リポ酸は、どのような効果が期待できるのでしょうか?
基本的な効果、作用としては、
- 抗酸化作用
- 肉体疲労の改善
- 解毒作用
- 糖尿病の予防
- 糖質の代謝を促進
このように、α-リポ酸(アルファ-リポ酸)には、様々な効果、効能が期待できます。
抗酸化作用
α-リポ酸は、ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10、グルタチオンのような抗酸化作用があります。
●抗酸化作用とは?
人間は、ストレスや過度な運動、紫外線、喫煙などによって、活性酸素(フリーラジカル)が発生します。
本来、活性酸素は、体内に入ってきた細菌やウイルスを退治する働きをしますが、増えすぎると、細胞を傷つけて、生活習慣病や老化の原因になります。
抗酸化作用とは、増えすぎた活性酸素を除去して、細胞を傷つけるのを防ぐことで、美容、健康の効果が期待できます。
●α-リポ酸の抗酸化力の特徴
細胞は、脂質でできた細胞膜でおおわれているので、細胞膜の外側は、ビタミンE、コエンザイムQ10といった脂溶性抗酸化物質で守られています。
水溶性抗酸化物質のビタミンC、グルタチオンは、細胞内や血液で働きます。
α-リポ酸は、細胞内、細胞外のどちらでも酸化を防ぐ抗酸化作用が発揮できます。
●他の抗酸化物質を再生する
α-リポ酸は、活性酸素(フリーラジカル)を除去して、酸化して抗酸化力がなくなったビタミンE、ビタミンC、CoQ10、グルタチオンなどを、再度、抗酸化力がある状態に戻すことができます。
また、α-リポ酸、自身も、活性酸素を除去して、自らが酸化しても、α-リポ酸を元に戻す効果があります。
抗酸化作用で、体の酸化を予防することができれば、美容効果、健康維持、増進、エイジングケアなどが期待できます。
肉体疲労の改善
人間の体の細胞の中にはミトコンドリアが存在します。ミトコンドリアは、人間が生きていくために必要なエネルギーを生み出しています。
α-リポ酸は、ミトコンドリアがエネルギーを効率的に作るのに必要なエネルギーです。
エネルギーを効率的に作ることができると、肉体疲労の回復が行いやすくなります。
この為、日本では、肉体疲労時の栄養補給のために、α-リポ酸(チオクト酸)を配合した医薬品が販売されています。
解毒作用
α-リポ酸は、抗酸化物質の一種であるグルタチオンの量を増やす働きがあります。
グルタチオンは、肝機能を高める効果があるので、有害物質を解毒して、毒素や老廃物を排泄する解毒作用を高める効果が期待できます。
α-リポ酸は、有害なミネラルを排出する解毒サプリとしても知られています。
糖質の代謝を促進
α-リポ酸は、炭水化物を分解してエネルギーに代えたり、糖分からエネルギーを作り細胞内に取り込むのに必要な成分です。
もしも、糖質を摂りすぎた場合には、体内で糖化反応が起こります。糖化反応が起こると、体が老化し、肌トラブルや体調不良などを引き起こす可能性があります。
この為、α-リポ酸をとり、糖質をスムーズにエネルギーとして代謝することで、糖化反応を抑える効果が期待できます。
糖尿病の予防
糖尿病とは、血糖値を正常に保つインスリンというホルモンが少なくなり、エネルギーとして使われるはずの糖がうまく細胞に取り込めずに血液中に残り血糖値が高くなる病気です。
糖尿病が悪化すると、全身の血管や神経などに悪影響を起こし、色々な症状を引き起こします。
α-リポ酸は、糖を効率的にエネルギーにかえる作用があるので、血糖値の上昇をコントロールして糖尿病を予防する効果が期待できます。
もしも、治療目的でα-リポ酸を利用する場合は、医師に相談して行いましょう。
その他の効果
α-リポ酸は、食事でとった糖質を効率的にエネルギーに変換します。しかし、30代、40代になると、体内で作られるα-リポ酸の量が減るので中年太りを起こしやすくなります。
この為、α-リポ酸をサプリメントや食品で摂取することで、ダイエットを行ったときに、より効率的に痩せやすくなる効果が期待できます。
摂取量
サプリメントや健康食品など、経口摂取の場合は、安全な摂取量は、統一された明確な基準はありません。
ただし、業界団体の1つの日本栄養評議会によると、α-リポ酸の摂取量の推奨は、
1日当たり
- 推奨量:100mg
- 最大推奨量:200mg
糖尿病の治療目的として、臨床試験では、1日当たり600mg~1,200mgを経口投与したケースもあるようです。
摂取方法
食事と同時にとると吸収が悪くなるので、食事をとる30分前までにはとりたいところです。
この為、食前、食後などは、避けた方がいいと思います。
サプリメントで摂取する場合、特に、薬ではなく食品(健康食品)なので、1ヶ月、2ヵ月、3ヶ月と、長期的に継続しての摂取が必要です。
注意点
日本人の6%~8%の特定の遺伝的要因の白血球を持っている人は、「手が震える」「意識がもうろうとする」といった低血糖症の症状が起こる可能性があるので注意が必要です。
また、糖尿病の治療で、血糖値をコントロールしている人は、α-リポ酸を摂取すると血糖値が下が過ぎる可能性があるので注意が必要です。
妊娠中、授乳中の人
妊娠中および授乳中の人の、α-リポ酸の利用に関しては、臨床試験での検討は行われていません。
この為、妊娠中、授乳中の人は、医師に相談する必要があります。
他のサプリメントとの相互作用
ハーブ、健康食品、サプリメント、食品などの血糖値を下げる可能性があるモノと、α-リポ酸を同時にとると、必要以上に血糖値が下がる可能性があるので、注意が必要です。
ニンニク、グァーガム、デビルズロー、フェヌグリーク、セイヨウトチノキ、サイリウム、朝鮮人参、エゾウコギなど
血糖値を上げるハーブ、サプリメント、健康食品との併用
α-リポ酸は、血糖値を下げる作用があります。この為、血糖値を上げる可能性があるハーブ、サプリメント、健康食品など、α-リポ酸の効果を薄め、打ち消し合う可能性があるので中が必要
ショウガ、イラクサの地上に出ている部分、マオウ(麻黄)、チボクサなど
血流、血圧など治療中の関係
高血圧症や低血圧症などで、血圧に作用する医薬品を飲んでいる人、または、心臓病など血流に作用する薬を飲んでいる人、治療中の人は、注意が必要です。その他にも病気や怪我などで治療中の人は良しに相談するのが必須です。
※体調の不調を感じたらα-リポ酸の摂取を中止して、医師の診察を受けましょう。
副作用
α-リポ酸による副作用としては、体質によって、頭痛、嘔吐、胸やけ、めまい、消化不良、胃のむかつき、便秘、腹痛、下痢、腰痛、めまい、体重増加、体重減少、食欲不振など、不調を引き起こす可能性があります。
※体調の不調を感じたらα-リポ酸の摂取を中止して、医師の診察を受けましょう。
α-リポ酸を多く含む食品・食べ物
α-リポ酸を含む食べ物、食品としては、下記のようなモノがあります。
- 牛腎臓:32mcg
- 牛心臓:19mcg
- 牛レバー:14mcg
- グリンピース:7mcg
- ほうれん草:5mcg
- ブロッコリー:4mcg
- 芽キャベツ:3mcg
- トマト:3mcg
- 卵黄:0.3mcg
- ニンジン
- ジャガイモ
- イースト
- 豚レバー
上記の食品に、α-リポ酸が含まれています。
ただし、1mgのα-リポ酸を摂取するのに、ほうれん草だと3キロ以上も食べる必要があります。
また、牛心臓や牛レバーの場合は、食べ過ぎるとカロリーの摂取量が高くなる可能性があるので注意が必要です。
まとめ
α-リポ酸は、体内で作られる栄養成分ですが、年齢の経過とともに作られる量が減っていきます。
この為、意識して食事で摂取したり、サプリメントなどで補う方法などを選ぶことができます。
糖尿病など、病気中の人は、α-リポ酸を摂取することで血糖値を下げるので、医師に相談しましょう。