アラキドン酸(ARA)とは?どのようなモノものなのでしょうか?
ここでは、アラキドン酸について
- とのような特徴や効果が期待できるのか?
- どのような食品、食物に多く含まれているのか?
- サプリメントで補う必要があるのか?
- どんな人が必要なのか?
- 注意点・副作用はあるのか?
といった点について調べた内容をまとめています。
アラキドン酸とは?
アラキドン酸は、英語で「Arachidonic acid」といい略字で「ARA」と表記します。
アラキドン酸は、ビタミンFと言われる必須脂肪酸のn-6系脂肪酸(オメガ6脂肪酸)の一種です。
人間の体内では、細胞膜を形成するリン脂質を構成している主要な成分で、脳や皮膚、肝臓などに存在しています。
どのような特徴・効果が期待できるのか?
脳に多く存在して、脳細胞の生成に関与しているアラキドン酸は、DHAやEPAと同じように、脳の働きをサポートするために大切な栄養成分です。また、細胞の機能を正常に保つためにも大切な成分です。。
このように脳に関連する栄養成分ということで、
- 学習力・記憶力
- 認知能力・応答力
- 乳児の脳や体の発達
- うつ傾向や落ち込みな気分の改善
- 血圧調整作用
- 免疫機能の調整
- 血中コレステロール値を下げる
これらの作用や効果については、下記で詳しく紹介します。
学習力・記憶力
人間の脳の神経細胞は、3歳までに作られ、それ以後は、死んだら再生しないと考えられていました。
しかし、大人になっても新たな神経細胞が分裂することが明らかになりました。
アラキドン酸は、脳の神経細胞の主要な成分なので、不足しないように摂取していれば、学習力や記憶力がスムーズに行える可能性が高まります。
認知能力・応答力
触覚、視覚、聴覚、嗅覚、味覚などの5感で受け取った情報は神経細胞のニューロンを通じて、信号が伝わり、脳内では神経伝達物質が神経細胞間で伝達されます。
神経細胞が柔らかいとスムーズに情報が伝えやすくなりますが、アラキドン酸は、細胞膜を柔らかくすることで、認知能力、応答力を良くする効果が期待できます。
※細胞膜を柔らかくするのは、学習力、記憶力についてもいい影響が期待できます。
高齢になると、身体機能の低下により、リノール酸からアラキドン酸の合成がスムーズに行われずに、減少するとシナプスの伝達力が弱くなります。
シナプスの伝達力が弱まることによって、脳細胞も老化して記憶力など脳機能が低下する場合があります。
この為、アラキドン酸を直接、摂取することで、高齢者の認知機能や応答力などが改善するという報告もあるようです。
乳児の脳や体の発達
アラキドン酸は、母乳に含まれており、乳児の脳やカラダの発育に不可欠であるといわれています。
特に、脳の神経細胞は、胎児の時にすごい勢いで形成され、3歳までに作られます。
アラキドン酸は、脳のネットワークを構築するために神経細胞の分裂などを促進するので、胎児、乳児の脳の発達にも大切な脂肪酸の1つであるといわれています。
特に、1歳未満の乳児は、アラキド酸を体内で合成する力が弱いので、粉ミルクなどにアラキドン酸を添加したものが販売されています。
うつ傾向や落ち込みな気分の改善
アラキド酸は、人の気分や意欲を高めるアナンダミドや2-アラキドノイルモノグリセロールといった物質の原料になります。
この為、アラキド酸を摂取し、体内のアナンダミドや2-アラキドノイルモノグリセロールの量を増やすことができれば、うつ傾向の人、落ち込みやすい人の気分の改善作用が期待できます。
血圧調整作用
アラキドン酸は、人間の体内の様々な生体反応に関係しているホルモンのプロスタグランジンの材料になります。
そのため、プロスタグランジンの作用によって、血圧調整作用が期待できます。
免疫機能の調整
アラキドン酸は、プロスタグランジンの材料になります。プロスタグランジンは、生体調整ホルモンの一種で、免疫機能を調整する作用も持っています。
この為、生体調整ホルモンのシッカリとプロスタグランジンを作ることができれば、免疫機能の調整も整いやすくなる効果が期待できます。
血中コレステロール値を下げる
アラキドン酸は、生体調整ホルモンのプロスタグランジンの材料です。
生体の調整機能がスムーズに働くことで、血中コレステロール値を下げる効果も期待できます。
なお、アラキドン酸は、食品から摂取する栄養成分として、長期的に摂取することで、体の健康維持、増進に役立ちます。薬の様に、飲めば、スグに改善する、治るといったことはありません。特に、サプリメントを利用する場合は、食事で摂れない栄養を補うものです。アラキドン酸を摂取しても、薬の様に、スグに記憶力や学習能力、その他が即、効果が出ることは思わないようにしましょう。
アラキドン酸は、どのように摂取すると良いのか?
通常、アラキドン酸は、摂取したリノール酸を材料に、体内で合成されます。
リノール酸は、食用油に多く含まれ、一般的に、普通の食事をとっていれば不足することは少ないので、アラキドン酸も不足しにくいといわれています。
ただし、特にアラキドン酸が多く必要な幼児や乳児であったり、老人でお肉をあまり食べない人、栄養の吸収力が落ちている人は、不足していないか注意する必要があります。
リノール酸を多く含む食品
リノール酸を多く含む食品、食物としては、植物油とナッツ、種子類があげられます。
●植物油
コーン油、ごま油、ひまわり油、大豆油、紅花(サフラワー)油
●ナッツ、種子類
ブラジルナッツ、松の実、ヒマワリの種
アラキドン酸を多く含む食物・食品
アラキドン酸は、食事から摂ることができます。
基本的には、魚油や肝油、卵黄などに含まれているので、
- 肉類
- 魚類
- レバー
- 卵
上記の通り、基本は肉と魚です。
これに対して、植物にはほとんど含まれていません。
さらに、詳しく、どのような食品、食物に多く、アラキドン酸が含まれているかは、下記を参考にしてください。
アラキドン酸を多く含む食べ物
下記は、アラキドン酸を多く含む食べ物、食品の一覧です。100個以上、紹介しており、長くなるので、隠しています。
100個のアルギニン酸を含む食品が気になる人は、下記をタップ(クリック)すると見れます。
注意点
アラキドン酸は、豚肉、鶏肉、レバーなどの肉類。または、サバ、イワシ、ウニなどの魚介類に多く含まれています。
これに対して、野菜等の植物には、ほとんど含まれていません。
この為、アラキドン酸を積極的に摂取したいと思った場合には、動物性脂肪を摂りすぎて、カロリーオーバーになる可能性もあるので注意が必要です。
サプリメントで摂取する場合
アラキドン酸は、DHAとも似ている成分ですが、働きは多少の違いがあります。
もしも、サプリメントで、アラキドン酸を摂取したい場合には、DHAとバランスとをって摂取するのが望ましいです。
また、脂肪酸をサプリメントでの過剰摂取は注意が必要です。
もしも、薬を飲んでいる人など、病気や怪我の治療中の人は、医師に相談し、了解を得てから摂取しましょう。
過剰摂取に注意する
日本人の食生活が欧米化することで、お肉を食べる割合が増えました。
また、リノール酸を含む植物油もを多く使われるようになり、体内でのアラキドン酸が過剰になっているケースもあります。
アラキドン酸の摂りすぎは、
- 大腸がん
- 皮膚がん
- 前立腺がん
- 動脈硬化
- アトピー
この為、生活習慣病やアレルギー体質を予防したい場合には、アラキド酸の摂りすぎには注意する必要があります。
まとめ
乳児などの小さな子供、高齢になって、体内の機能が低下している人は別にして、現代人の普通の食生活をしていれば、アラキドン酸が不足するというのは少ないと思います。
- 食事で好き嫌いが多い
- 極端なダイエットをしている
- 偏食
- 好きなものばかり食べている
- 野菜しか食べない
上記の様な、極端な食生活をしていると場合には、脳内の情報伝達がうまくいかずに、集中力が低下したり、物忘れをしやすくなることがあります。
もしも、「お肉や魚介類」を食べていないで、「物忘れ」、「集中力の低下」を感じる場合には、アラキドン酸を含む食品、食物が不足している可能性があるので、意識して食べてみると良いかもしれません。